9月 ”HOW?”の設計

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スイス、チューリッヒにやってきて1ヶ月が経ちました。わーい。

チューリッヒのランドマーク、Großmünster

こちらに住むにあたって、いろいろな手続きも済ませはじめて、ようやく生活が落ち着いて、この地に根をはることができてきた気がします。

ミュンヘンのオクトーバーフェストからチューリッヒに帰ってきたとき、とても安心感が湧き上がってきて、もう私は余所者ではない、そんな感覚が芽生えていることに気が付きました。

(まあ、スイスより物価の安いドイツでお寿司食べて帰ろうと思って、バスの時間が迫る中嵐のようにお寿司を食べた結果、バスを逃してお金無駄にして、2,3時間立ち往生したあと何故かバスと同じ時間かけて電車で帰った、というストレスからの解放感説もある。)

チューリッヒ駅
旅のあとここに降り立つとわきあがる帰ってきた感

さて、今期とっているデザインスタジオは、Girot & Gramazio + Kohlerスタジオで、課題名はRobotic landscapeです。

ざっくり課題を説明すると、実際にある川を敷地に、土石流や氾濫など自然災害に”柔軟に”耐えることができる景観を設計する、というものです。

この”柔軟に”とはどういうことか、ここに普通の景観設計とは違う、今回のスタジオ独特の面白さがあります。自然災害のほか、日常的な川の浸食・堆積作用によって景観が改変されたとき、その変化に対して施工ロボットがどのように反応し、どのように景観を編集するのか、という”HOW?”の部分も設計することが求められているのです。つまり、自然の力に対抗する硬い景観ではなく、何十年何百年の間、自然災害の被害は最小限に保ちながらも、一方で自然の力による変形とそれに応じたロボットによる編集で変わっていく景観を設計するのです。

学部・大学院でほとんど一人で建築の設計しかしてこなかった私にとっては、2人組で、景観という時空間的に大きなスケールでの設計、先に述べた”HOW?”の設計、そして手書きはダメ!、というとても目新しいスタジオです。

この”HOW?”の設計について、仮に建築が竣工した状態を”終わり”とするならば、今回は”終わり”を設計するのではなく、”終わり”のない過程を設計します。だから、ひたすらコンピュータでシミュレーションを回しまくり、Grasshopperでロボットの動きをプログラムしまくることになりそうです。

Grasshopperに対する嫌悪感がなくなっていることに気が付いた、楽しい。笑

なかなかプログラム通りに動いてくれない、ちょっと間抜けなロボット氏
良い子良い子すると動いてくれる。謎。

ここで、スイスのアーキテクト、Georges Descombesの言葉を引用。

The more defined the grid given the river, the more the river will be free to design.

今回の課題、川とロボットと一緒に協働で設計をしているような感覚になります。でも、だからこそ新しく、予期せぬ面白い設計ができる気がして、興奮が止まらない〜!

そういえば、こちらの学生は意外にも3Dソフト使い慣れていない印象。それでか、TAや教授の面倒見が驚くほど良い。授業時間外でも学生の様子見に来てくれたり、積極的に相談に乗れる体制を整えてくれています。

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